2025-03-13 5:42
ハイブリッド会議のやり方|メリット・デメリット・機材の注意点も解説
対面とオンラインを組み合わせるハイブリッド会議は、柔軟な働き方を実現しながら、円滑なコミュニケーションを維持できます。
ここでは、ハイブリッド会議を効果的に運営する方法について解説します。
なお、ハイブリッド会議の内容を配信・アーカイブしたいなら、株式会社ストラーツがおすすめです。特に以下の課題を抱える場合に適しています。
・オンラインと対面の参加者が公平に発言できる環境を整えたい
・講演者の負担を減らしつつ、会議を円滑に進行したい
・チャットや投票機能を活用し、全員が意見を出しやすい場を作りたい

1.ハイブリッド会議のやり方
ハイブリッド会議で対面とオンラインの参加者がスムーズにコミュニケーションを取れるようにするためには、機材やツールの選定、役割分担、進行ルールの設定など、事前の計画が欠かせません。
ここでは、ハイブリッド会議を成功させるための具体的なステップについて解説します。
(1)参加者の出席方法を確認
ハイブリッド会議を実施する際は、参加者が対面参加かリモート参加かを事前に把握することが重要です。
対面参加者の人数によって必要な会議室の広さや設備が決まり、オンライン参加者が多い場合は安定した通信環境の確保が求められます。
また、会議の目的に応じて、主催者側が特定の出席方法を推奨するケースもあります。たとえば、以下のような指示を事前にだしておくことで、参加者がスムーズに判断できるようになります。
指示内容 | 期待できる効果 |
「各部署から1名は対面で参加してください」 | 偏りのない議論が交わしやすくなる |
「会議室の都合上、可能な方はリモート参加をお願いします」 | 想定外に人数が増えるリスクを予防 |
出席方法の事前確認は、スムーズな会議運営のための重要な準備段階となるため、事前のアナウンスと環境整備を徹底することが重要です。
(2)会議室の確保
ハイブリッド会議を実施する際は、対面・オンライン両方の参加者にとって快適な環境を整えられる会議室を選ぶことが重要です。具体的には、以下のようなことに気を配る必要があります。
会議室のスペース | 機材の配置を考慮し、座席以外の余裕も確保 |
カメラの設置 | 参加者全員が映るような角度・配置を調整 |
マイク・スピーカー | 声が明瞭に伝わるか、ハウリングが起きないか確認する |
ケーブル・電源 | 機材の配線やコンセントの位置を事前に確認 |
通信環境 | 安定したインターネット回線を確保し、必要に応じて有線接続を検討する |
これらの条件を満たす会議室を確保することで、ネットワークの状況を起因とするトラブルを予防できます。
(3)マイクやスピーカーといった機材を用意
ハイブリッド会議で快適なコミュニケーションを実現するためには、機材の役割を理解し、最適なセッティングを行う必要があります。以下は機材ごとの注意点です。
機材 | 注意点 |
カメラ | 発言者の表情やジェスチャーを鮮明に映せる位置に設置する |
ホワイトボード | 書画カメラや画面共有を活用し、オンライン参加者にも内容を見やすくする |
モニター・プロジェクター | ・モニターを推奨 ・プロジェクターの場合は明るさと解像度に注意 |
マイク | 音質やボリュームの事前テストを行う |
ミキサー | 会議室のマイク数やスピーカーの数に応じて、十分な数の入力・出力端子があるか確認する |
オーディオインターフェース | ミキサーがオーディオインターフェースと一体型なら不要 |
スピーカー | 音割れやハウリングを防ぐため、適切な音量に調整する |
適切な機材を選定し、綿密なセッティングを行うことで、対面参加者とオンライン参加者の間の心理的な距離を縮め、一体感のある会議を実施できます。
(4)アジェンダの作成
ハイブリッド会議を効果的に進行するためには、詳細なアジェンダの作成と事前共有が重要です。アジェンダを明確にすることで、会議の目的が共有され、参加者全員がスムーズに議論に参加できます。
アジェンダには、以下の項目を明記しましょう。
会議のテーマ | 目的を明確にする |
参加者リスト | 役割や発言者を事前に把握する |
各議題の内容 | 議論すべきポイントを整理する |
所要時間 | 適切なタイムマネジメントを行う |
とくに重要なのは、リモート参加者と対面参加者の間で情報格差が生じないよう、当日使用する資料や参考データ、過去の議事録といった情報を事前に共有することです。
詳細なアジェンダを作成し、情報を事前に共有することで、参加形態に関係なく、全員が対等な立場で会議に参加できる環境を整えられます。
(5)ルールの確定とファシリテーター(会議進行役)の選出
ハイブリッド会議を円滑に進めるためには、明確なルールの設定と会議全体を調整するファシリテーターの選出が不可欠です。以下では、ルールの設定とファシリテーターの選出について解説します。
①ジェスチャー
ハイブリッド会議では、カメラを通じたコミュニケーションの特性を理解し、意識的なジェスチャーの活用が重要です。
会議では1台のカメラで複数の参加者を撮影することから、対面参加者の表情や細かな反応が伝わりにくいという課題があるためです。
この問題を解決するため、画面越しでも伝わりやすいサムズアップやうなずきを積極的に活用しましょう。さらに、チャット機能を使って賛成・反対の意思表示を行うことも有効です。
また、発言したい場合は、手を大きくあげる、カメラに向かって手を振るなどの動作をすることで、誰が発言しようとしているのかを明確にできます。
意識的なボディランゲージを活用することで、オンライン参加者との円滑なコミュニケーションが可能になります。
②ファシリテーターの選出
ハイブリッド会議を効果的に運営するためには、ファシリテーターの存在が不可欠です。
ファシリテーターとは、会議の進行を円滑にする役割を担う人で議論がスムーズに進むように発言を促したり、意見の偏りを防いだりする役割を持ちます。
対面会議とオンラインを平等に進行させるためにも「対面会議担当のファシリテーター」と「オンライン参加者担当のファシリテーター」の2名体制が有効です。
対面会議担当 | 会議室での進行管理、発言の調整 |
オンライン担当 | オンライン参加者の発言管理、チャットのモニタリング |
規模が小さい場合は1名のファシリテーターで対応し、大規模な会議では2名体制で進行をサポートすると良いでしょう。
③参加者の発言について
ハイブリッド会議を成功させるためには、すべての参加者が平等に発言できる環境づくりが不可欠です。そのため、会議開始前に明確な発言ルールを設定し、参加者全員で共有しましょう。
発言ルールの例は以下の通りです。
ルール | 説明 |
マイクの使用を徹底する | 対面参加者の発言がオンライン参加者にも適切に伝わるよう、マイクを使用する |
初回発言時に名乗る | 会議の冒頭で自己紹介を行い、初めて発言する際は簡潔に名乗る |
相手の名前を呼んで発言する | 質問や意見を述べる際は、誰に向けた発言か明確にする |
オンライン参加者の発言機会を意識的に確保 | ファシリテーターが意識的にオンライン参加者へ発言を促す |
このようなルールを事前に決めて全体に共有することで、参加形態に関係なく、スムーズで公平な議論が可能になります。
(6)スムーズに会議を進める方法
ハイブリッド会議を円滑に進めるためには、対面参加者とオンライン参加者の双方が快適に議論できる環境を整えることが重要です。
発言機会の偏りや音声トラブル、技術的な問題が発生すると、会議の進行が滞り、生産性が低下する可能性があります。以下のポイントに注意し、スムーズな会議運営を心がけましょう。
①オンライン参加者の発言機会を確保する
ハイブリッド会議では、対面参加者の方が自然に発言しやすいため、オンライン参加者が発言の機会を逃してしまうことがあります。そのため、ファシリテーターは意識的にオンライン参加者の発言を促す工夫が必要です。
具体的には、以下のような方法が効果的です。
- 各議題の区切りでオンライン参加者へ優先的に意見を求める
- Zoomの挙手機能やチャット機能を活用し、発言の意思表示をしやすくする
これらの対策を講じることで、オンライン参加者が議論に積極的に参加できる環境を整え、会議全体の活性化につながります。
②マイクが拾いやすい声量で話す
対面参加者は、目の前にいる相手と直接会話している感覚になりやすく、無意識のうちに声が小さくなったり、マイクから遠ざかって話してしまったりすることがあります。
これにより、オンライン参加者が発言を聞き取りづらくなり、会議への参加意欲が低下する可能性があります。
マイクが拾いやすい声量で話すためにも、対面参加者は以下の点を意識しましょう。
- マイクの位置を常に意識し、適切な距離を保つ
- 普段よりもややゆっくり、はっきりとした声で話す
- オンライン参加者にも音声が届いているか、時折確認する
オンライン参加者の存在を意識しながら話すことで、全員が平等に議論に参加で
2.ハイブリッド会議の概要

ハイブリッド会議とは、会議室での対面参加とオンラインでのリモート参加を組み合わせた会議形式のことを指します。オフィスに出社しているメンバーと、遠隔地から参加するメンバーが、Web会議ツールを活用して同時にコミュニケーションを取ることが可能です。
ここではハイブリッド会議の概要と、オンライン会議との違いを解説します。
(1)ハイブリッド会議とは?
ハイブリッド会議は、対面形式とオンライン形式を組み合わせた会議の形態で以下のようなメリットとデメリットがあります。
メリット | デメリット | |
ハイブリッド会議 | 対面会議とオンライン会議のメリットを両方活かせる ※設備や進行における課題に対処できた場合に限る | ・設備や進行の工夫が必要 |
対面会議 | ・臨場感がある ・非言語コミュニケーションがとりやすい ・その場で意思決定がしやすい | ・移動時間がかかる ・遠方の人は参加しにくい |
オンライン会議 | ・移動不要 ・どこからでも参加可能 ・柔軟な働き方に対応 | ・非言語コミュニケーションが難しい ・発言のタイミングを掴みにくい |
ハイブリッド会議は、設備と進行における工夫をすることで、対面とオンラインの強みを活かしながらスムーズなコミュニケーションを実現できます。
(2)オンライン会議との違い
ハイブリッド会議とオンライン会議には、運営面で主に以下のような違いがあります。
会議スペースの確保が必要 | 会場スペースと必要な設備(カメラ・マイク・スピーカーなど)を整える必要がある |
参加人数の管理が求められる | 対面とオンラインの参加バランスを調整する必要がある |
オンライン参加者への配慮が必要 | オンライン参加者は発言のタイミングを掴みにくい傾向にある |
ハイブリッド会議では発言時の名乗りや、進行役による意図的な声かけを行い、オンライン参加者が疎外感を感じない工夫が必要です。会議スペースや参加者への配慮など、ハイブリッド会議はオンライン会議とは違った配慮が求められます。
3.ハイブリッド会議のメリット

ここではハイブリッド会議のメリットである、コスト削減や柔軟性などについて解説します。
(1)コスト削減につながる
ハイブリッド会議の導入により、会場費と移動費の両面でコストを抑えつつ、生産性の向上も期待できます。
会議室に関するコストの削減 | 対面会議のように広い会議室を確保する必要がなくなる |
交通費・宿泊費の削減 | ・出張費や宿泊費を削減・移動時間の短縮により、業務の効率化にも |
ハイブリッド会議は、単なるコスト削減策にとどまらず、企業の運営効率を向上させる手段としても有効です。
(2)参加できる人が増える
ハイブリッド会議は以下のような理由から、参加者の範囲拡大が期待できます。
- 物理的な制約がなくなり、参加人数を柔軟に調整できる
- 多様なメンバーの参加が可能になり、議論が活性化する
関係者が直接会議に参加することで、情報伝達の正確性が向上し、認識のズレを予防することが可能になります。また、部門や役職を超えた参加が容易になり、新しいアイデアの創出や多角的な問題解決につながるでしょう。
(3)希望する場所から会議に参加できる
ハイブリッド会議は、参加者が自身の状況や働き方に応じて参加場所を選ぶことが可能です。
オフィス勤務の社員 | 会議室で対面参加 |
在宅勤務の社員 | 自宅からリモート参加(育児・介護との両立が可能) |
出張中の営業担当者 | ホテルやカフェから参加 |
サテライトオフィス勤務のメンバー | コワーキングスペースから参加 |
このように参加場所の自由度が高まることで、ワークライフバランスの向上や、より効率的な業務遂行が可能となり、組織全体の生産性向上にもつながります。
4.ハイブリッド会議のデメリット

ハイブリッド会議には多くのメリットがある一方で、適切に運営しなければ、対面会議やオンライン会議にはない課題が発生する可能性があります。
ここでは、ハイブリッド会議で発生しやすいデメリットと、それを解決するための具体的な対策を紹介します。
(1)準備に時間と手間がかかる
ハイブリッド会議は対面会場とオンラインの2つの準備が必要になります。
対面会場の設営作業はオンライン会議と比べて負担が大きく、会議のたびに主に以下のような準備作業が必要になります。
- ノートPCの設置
- 大型モニターやプロジェクターとの接続
- Webカメラの角度調整
- マイク・スピーカーの音声チェック
- オンライン会議ツールの動作確認
会議の規模が大きくなるほど、これらの作業は複雑化し、担当者の業務負担を増加させる要因となります。
(2)オフラインの会話が優先されやすい
ハイブリッド会議では、対面参加者とオンライン参加者の間で発言機会や議論への参加度に差が生じやすいという課題があります。その理由として、非言語コミュニケーションを優先されやすいことが挙げられます。
対面参加者 | 非言語コミュニケーションで議論が活発化しやすい |
オンライン参加者 | 画面越しでは空気感を読み取りにくい |
上記の課題は進行役を設け、オンライン参加者にも意図的に発言を促すことでハイブリッド会議を円滑に運営しやすくなります。
(3)ネットワークの状況が会議の進行に影響を与える場合がある
ハイブリッド会議では通信状態が悪化すると、意思疎通に支障をきたします。
対面参加者の表情やジェスチャーがオンライン参加者に正しく伝わらないことがあれば、会議の一体感が損なわれる要因となるでしょう。
これを防ぐためにも、会議開始前にネットワークの速度テストを行い、通信環境を事前に確認することが重要となります。きる環境を作ることができます。
5.まとめ
ハイブリッド会議は、対面とオンラインを組み合わせた新しい会議形式として、多様な働き方を推進する重要な会議方法です。
参加者の出席方法や会議室の確保、アジェンダの作成といった事前準備を入念に行い、オンライン参加者の発言機会にも気をつけることで、より有益な会議になるでしょう。
なお、ハイブリッド会議の内容を配信・アーカイブしたいなら、株式会社ストラーツがおすすめです。特に以下の課題を抱える場合に適しています。
・オンラインと対面の参加者が公平に発言できる環境を整えたい
・講演者の負担を減らしつつ、会議を円滑に進行したい
・チャットや投票機能を活用し、全員が意見を出しやすい場を作りたい
